IPO・内部統制コンサル日記

IPO・内部統制の実務支援をサービス提供しているコンサルタントによる現場のお話し

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短期調査(ショートレビュー)の事前提出資料について

経営者がIPOを決意し、具体的にどの様に準備を進めるのかプロジェクト計画を策定する必要があります。


まず自社がIPOに向けてどの程度の状況にあるかをチェック(診断)してみなれければなりません。


必要な組織と人材、業務フローと規程集や帳票、予算管理、会計処理の方法等について客観的に整備の状況を把握し、改善をスケジュール化しなければなりません。
又、関係会社の整備や取引関係の見直し等をいつ迄にどの様に見直しするのか理解する必要があります。


 会社の診断をする方法として、監査法人に依頼して「短期調査(ショートレビュー)」の実施です。掛かる費用としては、会社の規模や子会社や関係会社、工場・支店の数により約百万円から二百万円程度となります。
調査期間としては3~8日間程度で、その後に短期調査報告会があります。調査の実施に向けて監査法人から事前に下記の資料の提出を求められます。


(事前提出資料)
① 会社の定款の写し
② 会社の登記簿謄本
③ 会社のパンフレット、製品のカタログ
④ 現在使用している規程集
⑤ 決算申告書3期分(子会社・関係会社分も含める)
⑥ 会社の組織表と人員表
⑦ 取締役会議事録・株主総会議事録
⑧ 株主名簿
⑨ これまでの資本政策の資料(過去の増資手続きの内容)
⑩ 月次の試算表、資金繰り表
⑪ 労使関係の資料(協定書や各種届出関係資料)
⑫ 役員及び株主と会社の関係
⑬ 事業概念図(事業内容について)
⑭ 販売先一覧、仕入・外注先一覧
⑮ 重要な契約書(特許や著作権等も含む)
⑯ 在庫や棚卸資産の明細

 等々の資料です。
(業種によっては別の追加資料も求められます。)



 これらを提出した後、複数の会計士や専門家が会社を訪問し、ヒアリングを中心に調査を実施します。又、半日程度社長(経営者)の話を伺います。これらの結果を数十ページの「短期調査報告書(ショートレビュー)」として取り纏められ、報告会で内容の説明が行われます。



 説明内容としては、会社が行っている事業の強みや弱み、望まれる組織形態や補強すべき人材、決算処理の見直しと月次決算の早期化、追加して作成又は見直しの必要な規程・帳票の一覧、改善すべき取引や関係等を指摘し、改善案を提示されます。それと同時にIPOに向けたスケジュールと対処しなければならない課題についても記載されています。



この「短期調査報告書」により、自社のIPOに向けた問題点と課題が明確になり、その解決に掛かるコストや時間を考慮した中でのスケジュール感が掴める訳です。この調査はIPOとは別に考えても、自社を客観的に健康診断して普段見えない会社の現状を把握出来るものです。




「短期調査報告書など受けなくても、自社に問題はないっ!」

そのように思われる経営者の方も中にはいらっしゃると思います。


しかし、


この短期調査報告書によって、監査法人から上場”準備”企業としての適格性を認められなければ、上場企業として必須課題である「監査証明」を受けるための財務諸表監査契約が締結できないのです。


言い換えれば、短期調査報告書とは経営者から見れば自社の健康診断になりますが、監査法人から見れば上場達成見込みのある企業の抽出・・・とも言えるのです。



そのため、IPOを目指すための最初の一歩だからと気を抜いてしまってはいけないのです。
ここで気を抜いて、適格性に乏しい社内管理体制であると監査法人に判断された瞬間、IPO達成が少し遠退いてしまう・・・



・・・これは決して言い過ぎではないと思います。



さて気を取り直して(笑)、IPOに向けての問題点と課題が見えたら次にプロジェクトチームの準備とリーダーの選任となります。このテーマは、次回掲載する内容にしたいと思います

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