IPO・内部統制コンサル日記

IPO・内部統制の実務支援をサービス提供しているコンサルタントによる現場のお話し

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株式公開のメリット・デメリット

今回は、


株式公開のメリット・デメリットについて


考えてみたいと思います。



メリットについての話は、IPO関連の本に紹介されているケースが多いですが改めて整理してみますと、


・直接金融による資金調達が出来、いろいろな方法が検討出来る。又、間接金融においても限度枠の拡大や金利を低く調達可能となると共に、原則的に代表取締役の連帯保証人が不必要となる。

・会社の知名度が上がり、日々新聞(市場により)の株式欄に会社名・株価が載る。

・社会的信用力が格段向上する。(情報が飛躍的に集まる)

・会社の時価資産総額が大幅に増加する。

・優秀な人材を募集しやすくなる。(社員株主も資産価値が上がる。)

・個人オーナー等株主の資産価値が莫大に増加し、資金化が可能となる。

・企業買収の方法が多様化する。



 等々が挙げられます。確かにこれだけのメリットが考えられれば、年間200社近い会社が株式公開を目指すこととなるわけです。



しかしながら、すかいらーくやレックス・ホールディング等の様に経営陣による企業買収(MBO)により自ら上場廃止を選択したり、又、上場後様々な理由により毎年十数社が基準に抵触し、市場からの撤退を余儀なくされています。

さらに、内部統制制度と最近の不景気等のために、IPOを見送る会社が増えているの現状です。





そこで今回は株式公開のデメリットについて掲載したいと思います。コンサルティングの一環として公開を目指す企業のオーナーに対して、これらのことを最初に話し理解して戴くことも重要な仕事です。



・経営者の社会的責任が非常に重くなり、時にはプライベートな部分まで踏み込まれる。


・目先の株価が気になり、経営が長期的視点から短期的価値を重視する傾向となる。
 (長期的投資についての判断を見違える)


・敵対的買収(M&A)の対象と成り易い。


・公開に向けて莫大なコストが掛かり、公開後もコスト負担が生じる。


・会社組織についても、管理部門強化のために人員を増やさなければならない。
 (経営の意志決定に時間が掛かりやすくなる)


・新聞や雑誌等で経営者が紹介され、その言動が悪意に取られるケースもある。


・株主総会が大変となる。(一般株主等からの視線)


・確かにオーナーの個人的資産は飛躍的に増加するものの、自社株式の資金化は上場時の売出しや株主数増加の為の売出し等に限定され、持株比率の関係やインサイダーのタイミングからも簡単に売却出来ない。


・創業以来の幹部が、個人資産の増加や他の理由により退職するケースもある。


・有価証券報告書やIR活動により、会社の戦略が競合他社に知られることもある。
 (競合会社が株主となり得る)



そして最後に、公開した会社のトップが自分自身を一流の経営者であると思い込んでしまうことです。



株式公開とはその企業の経営目標に向かう為の戦略・戦術の手段であり、目的そのものではありません。

企業が「成長・継続・安定」を実践していくのに、株式公開が本当に必要なことなのか十分検討する必要があります。

上場会社の経営陣による企業買収にもあるように、市場や競合の変化により抜本的に企業の改革を実行しようとする際、数多くの株主を納得させることが出来るでしょうか。




これらの課題に応えるには、短期的な判断でなく、長期的な経営の視点からの判断だと思います。


上場会社の多くの株主は株価が上がりキャピタルゲインを望んでいますが、企業のトップは会社を永く継続させなければなりません。


そのように考えれば、

・事業戦略及び事業計画の見直し

・事業継続を念頭においた内部統制強化

・決算早期化による開示体制強化

といった社内管理体制強化に重点をおき、

「次の機会にまた上場すれば良い」という判断もありえると思います。




特に、

内部統制対応の着地点が未だに不明瞭であることと、

不景気のために十分なキャピタルゲインを期待しづらい状況であること


これらのポイントから考えても、社内管理体制強化に重点をおくことは投資家の視点から見れば、信用度の向上につながるのではないでしょうか?

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